舌下免疫療法｜｜ファミリークリニックきじま

舌下免疫療法について

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質（アレルゲン）を少量ずつ体内に取り入れることで、体質を根本から改善する治療方法です。現在、スギ花粉症とダニアレルギーに対して保険適用となっており、大阪市福島区のファミリークリニックきじまでも実施しています。

こんな方におすすめです

対象となるアレルギー

スギ花粉症とダニによる通年性アレルギー性鼻炎が対象です。血液検査でスギまたはダニに対する特異的IgE抗体が陽性であることが条件となります。
両方のアレルギーがある場合は、どちらか一方から開始し、症状が安定してから併用を検討します。

治療が適している方

毎年花粉症の症状に悩まされている方、薬を飲み続けることに抵抗がある方、将来の妊娠・授乳を考えている方に特におすすめです。また、薬の副作用（眠気など）で困っている方、根本的な体質改善を望む方にも適しています。

5歳以上から治療可能で、小児の方が効果が高いとされています。受験や就職活動を控えた学生にも、症状軽減のメリットは大きいです。

開始時期の目安

スギ花粉症の舌下免疫療法は、花粉飛散時期を避けて6月から12月に開始します。ダニアレルギーは通年性のため、いつでも開始可能です。
治療開始前に、アレルギー検査で診断を確定する必要があります。

治療の仕組みと効果

アレルギー体質の改善

アレルゲンを継続的に投与することで、体の免疫システムが「慣れ」を起こし、過剰な反応を抑えるようになります。制御性T細胞の増加、IgE抗体の減少、IgG4抗体の増加などの免疫学的変化が起こります。
注射による免疫療法と異なり、舌下投与は安全性が高く、自宅で治療できるのが大きな利点です。

期待できる効果

約80％の患者様に効果があり、そのうち20％は症状がほぼ消失、60％は症状が軽減すると報告されています。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど、すべての症状に効果が期待できます。
薬の使用量を減らせるため、眠気などの副作用から解放され、医療費の削減にもつながります。

効果が現れるまで

効果を実感するまでに3ヶ月から半年かかり、十分な効果を得るには2年以上の継続が必要です。即効性はありませんが、長期的には大きなメリットがあります。
治療を終了しても、効果は数年間持続することが確認されています。

治療の流れ

治療期間と継続の重要性

標準的な治療期間

3～5年間の継続が推奨されています。最初の1年で効果を判定し、効果がある場合は継続します。短期間で中止すると、効果が持続しません。
長期間の治療ですが、毎日の服用は習慣化しやすく、多くの方が継続できています。

中断した場合の影響

数日の中断は問題ありませんが、1週間以上中断すると、再開時に副作用が出やすくなります。1ヶ月以上中断した場合は、初回量から再スタートが必要です。
旅行や出張の際も、薬の携帯を忘れないようにしましょう。

副作用と注意事項

舌下免疫療法には口の中のかゆみ、腫れなどの副作用があります。腹痛や下痢、蕁麻疹が出ることもあります。多くは一時的なもので心配はいりませんが、症状が続く場合は医師に相談しましょう。

アナフィラキシーなどの重篤な副作用は極めて稀ですが、初回投与時は特に注意が必要です。
抜歯後、口腔内手術後は1週間程度休薬が必要です。また重症喘息の方、β遮断薬を服用中の方、妊娠中の方（継続は可能）、悪性腫瘍治療中の方は治療を受けられません。