ドクターズインタビュー｜｜ファミリークリニックきじま

院長インタビュー

どこに行けば良いか迷ったら、まずはご相談を
患者様の人生に寄り添う総合診療

クリニックの特徴は？

当院は主に成人・高齢者の患者様を対象とした総合内科クリニックです。小児科院「こどもクリニックきじま」がありますが、小児科と診療対象を分けることで、大人の患者様により専門的な医療を提供できる体制を整えています。

患者様の中には「どこの診療科に行けば良いか分からない」とお悩みの方も多いです。私は総合内科専門医として、不調があった際にまずは入り口となれるようなクリニックを目指しています。例えば「足が腫れているけれど、整形外科なのか皮膚科なのか内科なのか分からない」といったお悩みに、総合的な視点から診療を行い、必要に応じて適切な診療科への紹介もさせていただきます。

医師を志したきっかけは？

幼い頃、テレビで見た青年海外協力隊の活動に心を打たれました。医療が届かない地域で奮闘する医師たちの姿に、「私もこんな風に人の役に立ちたい」と強く思ったのです。看護師だった母の影響もあり、自然と医療の道を選びました。

その夢を実現するため、研修後は鹿児島にある総合病院に勤務し僻地医療を経験しました。そこで学んだのは、病気だけでなく、患者様の生活や価値観、家族との関係まで理解することの大切さです。お一人おひとりの人生に寄り添う医療こそが、本当の意味での地域医療だと実感しました。

鹿児島での経験は今も私の診療の原点です。「まずは診る」という姿勢と、患者様の人生全体を見据えた総合診療。この考え方は、現在の診療にもしっかりと活きています。

目の前の患者様から
必要なことを学び続けてきた

多くの専門資格をお持ちですね？

総合内科専門医、腎臓専門医、緩和医療認定医、公認心理師、医学博士の資格を持っています。ただ、これらは資格取得を目的としたものではありません。目の前の患者様に必要な医療を提供するために学び続けた結果、自然と取得できたものです。

例えば、緩和医療認定医はがん患者様の緩和ケアに取り組む中で、公認心理師は緩和ケアチーム長として活動する中で取得したものでした。

公認心理師の資格は、患者様との対話技術を向上させる上で役立っています。患者様の気持ちに寄り添い、心理的なサポートも含めた全人的な医療を提供できるよう努めています。

「全人的医療」とは何ですか？

医学的に正しいことと、患者様が求めている正しいことは必ずしも一致しません。私は患者様の人生で何を大切にされているかを理解し、その価値観に合わせた医療を提供することを心がけています。

例えば生活習慣病の治療でも、単に薬を処方するだけでなく、患者様の仕事や家庭環境、趣味などを考慮して、その方が続けられる方法を一緒に見つけていきます。医学的に理想の治療を追求しつつも、時には患者様の気持ちに寄り添いながらQOL（生活の質）を上げるような選択を心がけています。

「病気」と「病」は違うという言葉があります。病気は医学的な異常ですが、病はその人が感じている苦しみです。私は両方に目を向け、患者様の人生そのものにお付き合いしていきたいと思っています。

診療で心がけていることは？

まずはゆっくりとお話を伺うことですね。大人の患者様は背景も複雑で、持っている病気も1つではないことが多いです。じっくりと耳を傾け、根気よくお付き合いすることを大切にしています。

「当院では診られない」と断るのではなく、まずは話を聞いて、必要に応じて適切な専門医へご紹介したり、当院で可能な治療を提案したりしています。患者様が「とりあえず相談してみよう」と思える存在でありたいです。

また、行動変容のサポートにも力を入れています。心理学やコーチングの技術を活用して、患者様の関心レベルに応じた働きかけを行っています。怒ったり押し付けたりすることは決してせず、横で伴走しながら一緒に考えていくようなスタンスを取っています。

地域の皆様が安心して暮らせるように
総合診療医としての使命

地域医療への想いは？

この地域は高齢者率が全国平均より低いものの、今後確実に高齢化が進んでいきます。地域の皆様が安心して年を重ねられるよう、総合的な医療を提供していきたいと考えています。

「何科に行けば良いか分からない」「どこに相談したら良いか分からない」という患者様の不安を解消し、適切な医療につなげる役割を果たしたいです。地域のかかりつけ医として、予防から治療、そして最期の時まで、患者様の人生に寄り添っていきます。

北野病院やJCHO大阪病院など、地域の基幹病院とも連携を取っており、専門的な治療が必要な場合は速やかにご紹介できる体制も整えています。

これからの目標は？

患者様から「困った時は、ファミリークリニックきじまに相談すれば大丈夫」と思っていただけるクリニックを目指しています。総合診療医として、どんな症状でもまずは相談できる窓口でありたいです。

認知症の初期診療にも対応し、長谷川式スケールによる評価や、軽い薬の処方も行っています。専門的な検査が必要な場合は適切な医療機関へご紹介しますが、まずは気軽にご相談いただければと思います。

気軽に立ち寄れる健康相談の窓口
あなたの健康パートナーとして

患者様へのメッセージ

「こんなこと相談しても良いのかな？」と迷うことがあれば、まずはお気軽にご来院ください。どこに行けば良いか分からない症状も、体調の不安も、生活習慣の改善も、すべて相談に乗らせていただきます。

患者様お一人おひとりの価値観やライフスタイルを大切にし、押し付けではない、その方に合った医療を提供します。時には医学的な理想から少し離れても、患者様が納得して続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。

当院は予約優先制ですが、予約なしでも診療可能です。街を歩いていて気づいたから来た、という方も歓迎しています。地域の皆様の健康パートナーとして、末永くお付き合いさせていただければ幸いです。