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高尿酸血症、痛風について

「風が吹いても痛い」と表現される痛風は、関節に激烈な痛みを引き起こす病気です。その原因となる高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態で、成人男性の約30%が該当します。
痛風発作は突然起こり、日常生活に大きな支障をきたします。大阪市福島区のファミリークリニックきじまでは症状を繰り返さないように、痛みの治療だけでなく尿酸値のコントロールによる再発予防と合併症予防を目指します。
こんな症状はありませんか?
痛風発作は以下のような特徴的な症状を示します。
- 足の親指の付け根の激痛
- 関節の腫れ、発赤、熱感
- 夜間や明け方に突然発症
- 歩行困難なほどの激痛
- 触れるだけで飛び上がるほど痛い
など
無治療でも通常7~10日で改善しますが、放置すると発作を繰り返すようになるため早期の受診が大切です。
高尿酸血症と痛風の違い
高尿酸血症とは
血清尿酸値が7.0mg/dl以上の状態です。この段階では無症状ですが、尿酸塩が体内に蓄積していきます。高尿酸血症の約10%が痛風を発症します。
痛風とは
高尿酸血症が続き、関節内に尿酸塩結晶が沈着することで起こる関節炎です。結晶が剥がれ落ちると、白血球が攻撃し、激しい炎症を引き起こします。
病型の分類
高尿酸血症は、尿酸産生過剰型(体内で尿酸を作りすぎる、約60%)、尿酸排泄低下型(腎臓からの排泄が悪い、約30%)、混合型(両方の要因がある、約10%)の3つに分類されます。病型により治療薬が異なるため、正確な診断が重要です。
高尿酸血症の原因
生活習慣による要因
プリン体の多い食品(レバー、魚卵、干物)、アルコール(特にビール)、果糖の過剰摂取が原因となります。肥満、過度の運動、脱水、ストレスも尿酸値を上昇させます。
体質的な要因
男性ホルモンは尿酸排泄を抑制するため、男性に多い病気です。遺伝的要因も強く、家族歴がある場合はリスクが高まります。腎機能低下、利尿薬の使用も原因となります。
高尿酸血症が引き起こす病気
痛風発作
関節への尿酸塩結晶沈着により、激烈な関節炎を起こします。足の親指以外に、足首、膝、手首なども侵されます。慢性化すると痛風結節(こぶ)ができることもあります。
尿路結石
尿中の尿酸が結晶化し、結石を形成します。激しい腰背部痛、血尿を引き起こし、腎機能障害の原因にもなります。
腎障害
尿酸塩が腎臓に沈着し、痛風腎を引き起こします。進行すると慢性腎臓病から腎不全に至ることもあります。
動脈硬化との関係
高尿酸血症は動脈硬化を促進し、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを高めます。高血圧、糖尿病、脂質異常症との合併も多く見られます。
検査と診断
血液検査
血清尿酸値7.0mg/dl以上で高尿酸血症と診断し、治療を開始いたします。腎機能、肝機能、脂質、血糖値も同時に評価します。24時間蓄尿により、尿酸産生量と排泄量を測定し、病型を判定することもあります。
関節液検査
痛風発作時に関節液を採取し、顕微鏡で尿酸塩結晶を確認すれば確定診断となります。針状の結晶が特徴的です。
画像検査
レントゲンで痛風結節や関節破壊を確認します。超音波検査では、関節内の尿酸塩沈着が観察できます。
治療方法
痛風発作時の治療
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)やコルヒチンで炎症を抑えます。発作中は尿酸降下薬を開始せず、炎症が治まってから開始します。安静、患部の冷却、水分摂取も重要です。
高尿酸血症の治療
尿酸値6.0mg/dl以下を目標に治療します。痛風発作の既往、尿酸値8.0以上、合併症がある場合は薬物療法を開始します。
食事療法
プリン体を1日400mg以下に制限。アルコールは控えめに(日本酒1合程度)。水分を1日2L以上摂取し、尿をアルカリ化する野菜、海藻を積極的に摂ります。適正体重の維持も重要です。
薬物療法
尿酸生成抑制薬(アロプリノール、フェブキソスタット)、尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロン)から病型に応じて選択します。急激な尿酸値低下は発作を誘発するため、徐々に下げていきます。
生活習慣の改善
適度な有酸素運動、十分な水分摂取、ストレス管理が大切です。激しい運動は逆効果となるため注意が必要です。
