- HOME
- 胃腸炎
胃腸炎について

急な腹痛、下痢、嘔吐に見舞われる胃腸炎は、日常生活を一変させるつらい病気です。「お腹の風邪」とも呼ばれ、ウイルスや細菌により胃や腸に炎症が起こることで発症します。
適切な治療により多くは数日で改善しますが、脱水症状や二次感染のリスクもあるため、油断は禁物です。大阪市福島区のファミリークリニックきじまでは、総合内科専門医が症状の程度を評価し、原因に応じた治療と生活指導を行います。特に高齢者や持病のある方は重症化しやすいため、早めの対応が大切です。
こんな症状はありませんか?
緊急性の高い症状
- 血便や黒色便が出る
- 意識がもうろうとする
- 尿が半日以上出ない
- 激しい腹痛が持続する
- 38.5℃以上の高熱が続く
など
これらは重症化のサインです。すぐに医療機関を受診してください。
早めの受診をおすすめする症状
- 1日複数回以上の下痢が続く
- 嘔吐を繰り返し水分が摂れない
- 腹痛がどんどん強くなる
- 便に粘液や血が混じる
- 37.5℃以上の発熱を伴う
など
症状が強い場合や改善傾向が見られない場合は、早めの受診をおすすめします。
胃腸炎の種類と特徴
ウイルス性胃腸炎
ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルス感染が原因となる胃腸炎です。特に冬場に流行するノロウイルスは激しい嘔吐と下痢が特徴で、感染力が非常に強いことでも知られています。
症状は1~3日でピークを迎え、通常は1週間以内に回復します。特効薬はなく、対症療法が中心となります。
細菌性胃腸炎
サルモネラ、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌(O-157)などが原因となる胃腸炎です。夏場に特に多く、食中毒として発生することが多いです。
ウイルス性より症状が重く、血便や高熱を伴うことがあります。重症例では抗生物質が必要になります。
その他の胃腸炎
ストレス性、アレルギー性、薬剤性など、感染以外の原因もあります。慢性的な症状の場合は、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患との鑑別が必要です。
症状の経過と特徴
典型的な症状経過
潜伏期間(数時間~数日)の後、吐き気、嘔吐から始まることが多いです。その後、腹痛、下痢が出現し、発熱を伴うこともあります。
嘔吐は1~2日で治まることが多いですが、下痢は1週間程度続くことがあります。回復期でも、疲労感や食欲不振が残ることがあります。
年齢による症状の違い
高齢者は脱水になりやすく、意識障害を起こすリスクがあります。若い方は症状が激しくても回復が早い傾向がありますが、無理は禁物です。
感染経路と予防
感染の仕組み
ウイルスや細菌は、汚染された食品、水、手指を介して口から入ります。感染者の便や嘔吐物には大量の病原体が含まれており、わずかな量でも感染します。
家庭内感染の予防
手洗いの徹底が最も重要です。トイレ後、調理前、食事前は必ず石鹸で30秒以上洗いましょう。嘔吐物の処理は、マスク、手袋を着用し、塩素系漂白剤で消毒します。タオルの共用は避け、できれば使い捨てペーパータオルを使用しましょう。
食中毒の予防
食材は十分に加熱し、調理後は速やかに食べましょう。まな板、包丁は肉用と野菜用を分け、使用後はしっかり洗浄します。
脱水症状に注意
脱水のサイン
口の渇き、尿量減少、皮膚の弾力低下、めまい、倦怠感は脱水の初期症状です。進行すると、意識障害や腎機能障害を起こす危険があります。体重の5%以上の水分喪失が医学的介入が必要なレベルと言われています。
重症化のリスク
高齢者、乳幼児、糖尿病や腎臓病のある方は、脱水により重篤な状態になりやすいです。早めの点滴治療を検討します。
検査と診断
問診と診察
症状の始まり、食事内容、周囲の流行状況を詳しくお聞きします。腹部診察で圧痛の程度、腸音の状態を確認し、脱水の評価を行います。
必要に応じた検査
便の細菌培養検査により原因菌を特定できますが、結果に数日かかります。血液検査では、炎症反応、電解質バランス、腎機能を確認します。重症例や診断に迷う場合は、腹部エコー検査を検討します。
治療とケア
対症療法
整腸剤で腸内環境を整え、必要に応じて制吐薬を使用します。下痢止めは病原体の排出を妨げるため、感染性胃腸炎では原則使用しません。
水分・栄養補給
経口補水液を少量ずつ頻回に摂取します。1回50ml程度を15分おきに飲むのが目安です。水分が摂れない場合は、点滴による補液を行います。
安静期間の目安
症状消失後も2~3日は感染力が残ります。調理従事者は症状消失後48時間以上経過してから復帰しましょう。
食事の再開方法
水分が摂れるようになったら、おかゆ、うどんなど消化の良いものから開始します。乳製品、脂肪分、香辛料は避け、徐々に通常食に戻していきます。
