脂肪肝

脂肪肝について

脂肪肝について

脂肪肝は肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態で、成人の3人に1人が該当する身近な病気です。肝臓は「沈黙の臓器」の1つでもあり、進行するまで症状が現れないことが多く、健康診断で初めて指摘される方がほとんどです。

放置すると肝硬変や肝臓がんに進行する可能性もあるため、定期的な健康診断などで早期に発見することが大切です。大阪市福島区のファミリークリニックきじまでは、罹患してしまった場合でも総合内科専門医の視点から、生活習慣の改善を中心に患者様に合わせた治療方法を提案し、肝臓の健康を守ります。

こんな症状はありませんか?

初期の脂肪肝はほとんど無症状ですが、進行すると以下の症状が現れることがあります。

  • 右上腹部の違和感や鈍痛
  • 全身の倦怠感、疲れやすさ
  • 食欲不振
  • 体重減少(進行した場合)
  • 黄疸(白目が黄色くなる)
  • むくみ、腹水
  • など

多くは無症状のため、定期的な検査が重要です。健康診断で肝機能異常(AST、ALT、γ-GTPの上昇)を指摘された方や腹部エコーで脂肪肝を指摘された方は受診をおすすめします。肥満、糖尿病、脂質異常症がある方、アルコールを多く飲む方も脂肪肝のリスクが高いため、定期的な検査が必要です。

脂肪肝の種類と特徴

アルコール性脂肪肝

過度の飲酒が原因で起こる脂肪肝です。アルコールの代謝過程で脂肪合成が促進され、肝臓に脂肪が蓄積します。禁酒により改善しますが、飲酒を続けると肝炎、肝硬変へ進行します。

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)

飲酒歴がないのに起こる脂肪肝で、肥満や糖尿病が主な原因です。日本人の約25%が該当し、増加傾向にあります。多くは良性の経過をたどりますが、一部は進行します。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

NAFLDの約10-20%が該当し、肝臓に炎症と線維化を伴います。放置すると肝硬変や肝臓がんに進行するリスクが高く、積極的な治療が必要です。

脂肪肝の原因

生活習慣による要因

過食、高カロリー・高脂肪食、運動不足が主な原因です。特に炭水化物や果糖の過剰摂取は、肝臓での脂肪合成を促進します。急激なダイエットによる栄養失調も脂肪肝の原因となります。

体質的な要因

インスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)が脂肪肝の発症に深く関与します。内臓脂肪型肥満の方は、脂肪肝になりやすい体質です。遺伝的要因も関係しています。

その他の原因

薬剤(ステロイド、タモキシフェン)、内分泌疾患(甲状腺機能低下症)、栄養障害、妊娠なども脂肪肝の原因となることがあります。

脂肪肝が引き起こす病気

肝硬変への進行

NASHの約20%が10~20年で肝硬変に進行します。肝硬変になると、肝機能が著しく低下し、腹水、黄疸、食道静脈瘤などの合併症が現れます。

肝臓がんのリスク

肝硬変に至ると、年率2~3%で肝臓がんが発生します。最近はNASH由来の肝臓がんも増加しており、定期的な画像検査が重要です。

生活習慣病との関連

脂肪肝は糖尿病、脂質異常症、高血圧と密接に関連し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高めます。メタボリックシンドロームの肝臓における表現型とも言われています。

検査と診断

血液検査

AST、ALT、γ-GTPなどの肝酵素が上昇します。ただし、正常値でも脂肪肝のことがあります。血小板数、アルブミン値で肝機能を評価し、糖尿病や脂質異常症の検査も行います。FIB-4 indexという計算式で、肝線維化の程度を推定できます。

画像検査

腹部エコーが最も簡便で、肝臓の輝度上昇(白く見える)で診断します。CTやMRI、フィブロスキャンという特殊な検査が行われることもあり、必要時連携病院に紹介します。

肝生検

NASHの確定診断には肝生検(肝臓に針を刺し組織を採取する検査)が必要ですが、侵襲的なため、画像検査や血液検査で総合的に判断することが多いです。肝生検査が必要な際は連携病院に紹介致します。

治療方法

食事療法

カロリー制限(標準体重×25~30kcal)が基本です。糖質と脂質を控え、食物繊維を増やします。果糖(清涼飲料水、果物の過剰摂取)を制限し、ゆっくり食べることも大切です。体重の7%減量で肝臓の脂肪が減少し、10%減量で炎症も改善すると言われています。

運動療法

週150分以上の有酸素運動と週2回の筋力トレーニングが推奨されます。運動により、体重が減らなくても肝臓の脂肪は減少します。継続が重要なので、無理のない範囲から始めましょう。

薬物療法

確立した治療薬はありませんが、ビタミンE、ピオグリタゾンが有効な場合があります。糖尿病、脂質異常症、高血圧の治療薬が脂肪肝にも効果を示すことがあります。

生活習慣の改善

禁酒(アルコール性の場合)、禁煙、十分な睡眠、ストレス管理が重要です。夜食を控え、規則正しい生活リズムを保ちましょう。

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