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糖尿病について

糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気で、日本人の6人に1人が糖尿病または予備軍と推定されています。初期は自覚症状がほとんどなく、健康診断で初めて指摘される方も多い病気です。
放置すると様々な合併症を引き起こし、QOL(生活の質)を大きく低下させます。大阪市福島区のファミリークリニックきじまでは、総合内科専門医が患者様のライフスタイルに合わせた実践可能な治療方法を提案し、合併症の予防と健康寿命の延伸を目指します。
こんな症状はありませんか?
初期はほとんど無症状ですが、血糖値が高くなると以下の症状が現れます。
- のどの渇き、口の渇き
- 頻尿、夜間の尿回数増加
- 疲れやすい、だるさ
- 体重減少(食べているのに痩せる)
- 傷が治りにくい
- 皮膚のかゆみ、感染症を繰り返す
- 視力の低下、かすみ目
- 手足のしびれ、痛み
など
早期発見・早期治療により、合併症を予防できます。健康診断を定期的に受け、早期に異常に気付けるようにしましょう。
糖尿病の種類と特徴
1型糖尿病
膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが絶対的に不足する病気です。小児・若年者に多く、急激に発症します。生涯にわたってインスリン注射が必要な状態です。
2型糖尿病
全体の90%以上を占め、インスリン分泌低下と抵抗性により発症します。中年以降に多く、生活習慣が大きく関与します。
その他の糖尿病
妊娠糖尿病、膵臓疾患、内分泌疾患、薬剤性などがあります。原因疾患の治療により改善することもあります。
糖尿病の原因とリスク要因
生活習慣による要因
過食、運動不足、肥満が主要因です。特に内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を引き起こします。ストレス、睡眠不足、不規則な生活も血糖値を上昇させます。
体質的な要因
家族歴、加齢、人種(アジア人は欧米人より発症しやすい)が関与します。両親が糖尿病の場合、発症リスクは40%に上昇します。
糖尿病になりやすい人
肥満者、高血圧・脂質異常症の方、妊娠糖尿病の既往がある女性、多嚢胞性卵巣症候群の方はリスクが高くなります。
糖尿病の合併症
三大合併症
糖尿病性神経障害
最も早期に現れる合併症で、手足のしびれ、痛み、感覚低下から始まります。進行すると、立ちくらみ、便秘、勃起障害などの自律神経障害も起こります。足の感覚が鈍くなると、傷に気づかず壊疽に至ることもあるため、毎日の足のチェックが重要です。
糖尿病性網膜症
網膜の細い血管が傷つき、出血や浮腫を起こします。初期は自覚症状がありませんが、進行すると視力低下、飛蚊症、視野欠損が現れ、最終的には失明に至ることもあります。成人の失明原因の第2位であり、年1回の眼底検査が重要です。
糖尿病性腎症
腎臓の糸球体が傷害され、たんぱく尿から始まり、徐々に腎機能が低下します。進行すると腎不全となり、透析が必要になります。新規透析導入原因の第1位で、全体の約40%を占めています。早期の微量アルブミン尿の段階で発見し、治療することが大切です。
これらの三大合併症は細小血管障害と呼ばれ、血糖コントロールにより予防可能です。
大血管障害
糖尿病によって動脈硬化が進行すると心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症のリスクが2~4倍高まると言われています。
その他の合併症
感染症、歯周病、認知症、がん、骨粗鬆症のリスクも上昇します。
検査と診断
血糖値とHbA1c
空腹時血糖126mg/dl以上、随時血糖200mg/dl以上、HbA1c 6.5%以上のいずれかで糖尿病と診断します。HbA1cは過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する重要な指標です。
診断基準
糖尿病型を2回確認、または糖尿病型+典型的症状で診断確定となります。境界型(予備群)の場合も、生活習慣の改善が必要です。
定期検査の重要性
3ヶ月ごとのHbA1c測定、年1回の合併症検査(眼底、腎機能、神経伝導速度)により、早期発見・早期治療が可能です。
治療方法
食事療法
適正カロリーの摂取、炭水化物の適量摂取、食物繊維を増やす、規則正しい食事が基本です。極端な糖質制限は避け、バランスの良い食事を心がけます。
運動療法
週150分以上の有酸素運動と週2回の筋力トレーニングが推奨されます。食後の軽い運動も血糖値改善に効果的です。
薬物療法
ビグアナイド薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など、様々な作用機序の薬があります。病態に応じて選択し、必要に応じてインスリン療法も行います。
