慢性閉塞性肺疾患(COPD)

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に喫煙により肺が傷つき、息が吐きにくくなる進行性の病気です。「肺気腫」と「慢性気管支炎」を合わせた病名で、日本では約530万人が罹患していると推定されています。

40歳以上の喫煙者の約20%がCOPDと言われていますが、実際に診断・治療を受けている人は10%未満です。早期発見と適切な治療により、呼吸機能の維持とQOL(生活の質)の向上が可能です。

多くの方が「年のせい」と見過ごしがちですが、治療により症状の改善が期待できる病気ですので、気になる症状があれば大阪市福島区のファミリークリニックきじまへお早めにご相談ください。

こんな症状はありませんか?

COPDの典型的な症状

  • 階段や坂道での息切れ
  • 慢性的な咳(特に朝)
  • 痰が絡む(白色~黄色)
  • 風邪が治りにくい、長引く
  • 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
  • 体重減少、食欲低下
  • 疲れやすさ
  • 胸部の圧迫感
  • など

40歳以上で喫煙歴があり、労作時の息切れがある方は検査をおすすめします。「年のせい」と思わず、早めの診断が重要です。咳や痰が3ヶ月以上続く、風邪のたびに呼吸困難になる場合も受診してください。急激な息苦しさ、チアノーゼ(唇が紫色)、意識障害は緊急受診が必要です。

COPDの原因と特徴

主な原因

喫煙が原因の90%を占めます。特に1日20本×20年(400箱年)以上の喫煙歴があるとリスクが高まります。タバコの煙により気管支に慢性的な炎症が起こり、肺胞が破壊されて肺気腫となります。受動喫煙、大気汚染、職業性粉塵も原因となります。

病気の進行過程

肺の破壊は不可逆的で、一度壊れた肺胞は元に戻りません。進行すると呼吸不全となり、在宅酸素療法が必要になります。禁煙により進行を遅らせることはできますが、完治は困難です。

COPDと喘息の違い

喘息は可逆性の気道狭窄で、治療により正常化します。COPDは不可逆性で、肺の構造的破壊を伴います。ただし、両者が合併することもあります(ACOS)。

COPDの重症度分類

軽症から重症まで

呼吸機能検査の1秒率により、I期(軽症)からIV期(最重症)に分類されます。I期では自覚症状が少なく、IV期では安静時でも息苦しくなります。重症度により治療方法が異なるため、正確な評価が重要です。

増悪(急性悪化)について

感染症などをきっかけに症状が急激に悪化することを増悪と言います。入院が必要になることも多く、生命予後に影響します。年1回以上の増悪は予後不良因子です。

COPDが引き起こす合併症

全身への影響

栄養障害、筋力低下、骨粗鬆症、貧血など呼吸器以外の症状を引き起こします。さらに、体重減少は予後不良になりやすくなります。

心臓への影響

肺性心(右心不全)、虚血性心疾患、不整脈のリスクが高まります。心血管疾患の死亡率は2~3倍上昇します。

その他の合併症

肺がんリスクが4~5倍、肺炎リスクも高まります。うつ病や不安障害の合併も多く、包括的な治療が必要です。

検査と診断

呼吸機能検査

スパイロメトリーで1秒量、1秒率を測定します。気管支拡張薬吸入後も1秒率70%未満が診断基準です。定期的な検査で進行度を評価します。

画像検査

胸部レントゲンで肺の過膨張、横隔膜の平低化を確認します。

血液検査

動脈血ガス分析で酸素・二酸化炭素濃度を測定します。炎症マーカー、栄養状態も評価します。

治療方法

禁煙の重要性

どの病期でも禁煙により進行を遅らせられます。禁煙外来での薬物療法により成功率が高まります。受動喫煙も避けましょう。

薬物療法

気管支拡張薬(LABA、LAMA)の吸入が基本です。重症例では吸入ステロイドを追加します。増悪予防のためインフルエンザ・肺炎球菌ワクチンも推奨されます。

呼吸リハビリテーション

呼吸法指導、運動療法、栄養指導により症状改善と運動耐容能向上を図ります。口すぼめ呼吸、腹式呼吸の練習が有効です。

在宅酸素療法

重症例では在宅酸素療法により生存期間延長とQOL向上が期待できます。導入から管理まで対応可能です。

日常生活の注意点

増悪防止のため、感染予防(手洗い、うがい、マスク)、適度な運動、栄養管理が重要です。急激な温度変化を避け、十分な水分摂取を心がけましょう。

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