動脈硬化

動脈硬化について

動脈硬化について

動脈硬化は血管の壁が厚く硬くなり、弾力性を失う病気です。「血管の老化」とも言われ、加齢と共に誰にでも起こりますが、生活習慣により進行速度が大きく変わります。

自覚症状がないまま進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。日本人の死因の約25%は動脈硬化が原因とも言われています。しかし早期発見と適切な管理により、血管の健康を守り、健康寿命を延ばすことができます。

こんな症状はありませんか?

動脈硬化自体は無症状ですが、進行すると以下のような症状が現れます。

  • 胸の圧迫感、締め付け感
  • 歩行時のふくらはぎの痛み(間欠性跛行)
  • 手足の冷え、しびれ
  • めまい、ふらつき
  • 物忘れが増えた
  • 息切れ、動悸
  • ED(勃起不全)
  • など

そのほかに胸痛、歩行困難、急激な頭痛は、血管が詰まりかけているサインかもしれません。早めの受診が重要ですので、大阪市福島区のファミリークリニックきじまへお早めにご相談ください。

動脈硬化の種類と進行

粥状動脈硬化

最も多いタイプで、血管内膜にコレステロールが蓄積し、粥状のプラークを形成します。プラークが破れると血栓ができ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。

細動脈硬化

細い動脈が硬化するタイプで、高血圧が主な原因です。脳や腎臓の細い血管に起こりやすく、ラクナ梗塞や腎機能低下の原因となります。

中膜硬化

血管の中膜にカルシウムが沈着するタイプです。糖尿病や慢性腎臓病の方に多く見られます。

進行の過程

動脈硬化は10代から始まり、40~50代で症状が現れることが多いです。生活習慣の改善により、進行を遅らせることができます。

動脈硬化の原因とリスク要因

生活習慣による要因

喫煙は血管を傷つける最大の要因です。塩分・脂肪の過剰摂取、運動不足、過度の飲酒、ストレスも動脈硬化を促進します。肥満、特に内臓脂肪の蓄積は要注意です。

基礎疾患による要因

高血圧、糖尿病、脂質異常症は「動脈硬化の三大危険因子」です。これらが重なるとリスクは相乗的に上昇します。慢性腎臓病や睡眠時無呼吸症候群も進行を早めます。

その他の要因

加齢、男性、閉経後の女性、家族歴などもリスクになります。これらはコントロールできませんが、予防や生活習慣改善で影響を下げることが可能です。

動脈硬化が引き起こす病気

心臓の病気

冠動脈硬化により、狭心症、心筋梗塞を引き起こします。日本人の心疾患死亡の多くは動脈硬化が原因です。

脳血管の病気

脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作の原因となります。認知症のリスクも高まります。

末梢血管の病気

下肢の動脈硬化により、間欠性跛行から始まり、重症化すると足の壊疽に至ることもあります。

その他の臓器への影響

腎動脈硬化による腎機能低下、眼底動脈硬化による視力障害なども起こります。

検査と診断

血液検査

LDLコレステロール、中性脂肪、血糖値、HbA1cを測定します。高感度CRPなどの炎症マーカーも動脈硬化の指標になります。

血管機能検査

ABI(足関節上腕血圧比)で下肢の動脈硬化を、PWV(脈波伝播速度)で血管の硬さを評価します。頸動脈エコーでプラークの有無や血管壁の厚さを測定します。必要時は連携医療機関に紹介します。

治療と予防

生活習慣の改善

喫煙者は禁煙が最優先です。食事は塩分6g/日未満、飽和脂肪酸を控え、魚や野菜を増やします。週150分以上の有酸素運動も効果的です。体重を5%減らすだけでも血管への負担は軽減されます。

基礎疾患の治療

高血圧、糖尿病、脂質異常症の適切な管理が不可欠です。目標値を達成することで、動脈硬化の進行を抑制できます。

薬物療法

スタチンによるLDLコレステロール低下、抗血小板薬による血栓予防を行います。EPA製剤も血管保護作用があります。

定期的な管理

年1回の血管機能検査で進行度を評価します。リスクが高い方はより頻繁な検査が必要です。

動脈硬化は「血管の生活習慣病」です。症状が出る前から予防と管理を始めることで、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐことができます。

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